ギャッベの染と色

ギャッベの色は、大きく分けて「染めた色」と「天然の羊毛の色」に分けられます。

ナチュラルアイボリー、ベージュ、グレー、こげ茶などの色は、染めた色でなく羊の毛の色をそのまま使ったものがほとんどです。わずかな色のトーンの違いを使って、複雑なモチーフを織り込んだり、グラデーションを作ったりするのですから、ギャッベの織り子さんたちは素晴らしいアーティストですね!

一方、赤や青などの鮮やかな色彩は、植物から染められる草木染の色。

草木染の色サンプル

こんなにたくさんの鮮やかな色見本がありますが、意外なことに、もともとの染料の種類は少なくて、4,5種類程度しかありません。

数種類の染料のブレンドと、染める時間の調節、そして違う色を掛け合せて作り出す色。たとえば、黄色に染めた糸を、次はブルーに染めると深いグリーンに、赤に染めるとオレンジ色に。。
(染めの色のレシピは、工房の大事な企業秘密なので、これ以上はなかなか教えていただけません〜)
染料をブレンド

赤を染める西洋アカネ

西洋アカネ

じゅうたんの赤にはなくてはならない色。西洋アカネの根。

赤茶色を染めるクルミの皮

くるみの皮

やわらかな赤みを帯びたキャメル色も、クルミの皮から染められる。

黄色を染めるザクロ

ザクロの皮

黄色やライトブラウンは、イランが原産と言われるザクロから。


グリーンを染めるジャシール


ジャシール

日本には見られないジャシールは、イラン南部ザクロス山脈に分布している潅木。ジャシールだけでは、黄色っぽい色になるので、インディゴ藍が一緒に使われる。

ブルーはインディゴから

ブルーは、日本でもおなじみ、藍染(あいぞめ)のインディゴブルー。

そして魔法の触媒!たったこれだけの染料で、多彩な色の変化を生み出すのです。
触媒のアルミ


一枚分のギャッベの毛糸を染めるのに、いったいどれだけの染料が必要なのでしょう。
簡単にきれいな色が作れる合成染料を使わずに、草木染にこだわったものづくりができるのは、広大な土地を持つイランだからこそできる贅沢と思わずにはいられません。

染めのプールに準備されたジャシール